税関の認定手続で輸入者がやるべきこと

税関の認定手続で輸入者がやるべきこと

輸入貨物の通関検査で知的財産権の侵害の疑いがある貨物が発見されると「」という手続きが行われます。

・意匠などの知的財産は、侵害かどうかの判断が大変難しいため、「認定手続」という特別な手続きで侵害かどうかを判断することになっています。

税関職員がその場で「どうします?」などと言って輸入者に任意放棄を促すことは禁止されています。

 

認定手続で知的財産権の侵害であると判断されてしまうと、貨物が没収されてしまうので輸入者にとっては大変な損害になります。

そこで知的財産権の侵害と判断される可能性が高いと判断した場合、輸入者が何をすれば良いか考えみます。

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認定手続が行われているときに輸入者は「自発的処理」ができます。

自発的処理とは、認定手続中に輸入者が自発的に行う処理のことです。

 

自発的処理には、廃棄・放棄・部分切除・積戻し・権利者からの輸入同意書の取得があります。

貨物の廃棄または放棄をした場合、その時点で認定手続は取りやめになります。

廃棄または放棄することで貨物を通関させることができなくなります。

しかし知的財産権の侵害という認定もないので、税関のデータベースにブラックリストとして記録が残ることを回避することができます。

 

積戻しは、貨物を国内に輸入せずに、もとに送り返すことです(輸出貿易管理令別表第2の45)。

日本に輸入することはできませんが、貨物を失うことがない点で廃棄や放棄とは異なります。

積戻しは、認定手続中であれば、国内の権利者の同意が必要となります。

 

部分切除は、貨物からロゴマークなどの侵害部分を切除することです。

商標権の侵害と疑われた場合に行う処理です。

侵害部分を切除すれば侵害ではないので、貨物を通関させることができます。

 

権利者からの輸入同意書とは、国内の権利者から輸入者が貨物を輸入してもよいという同意書です。

少し違和感があるかもしれませんが、知的財産権は私権なので権利者が不問にすれば侵害は成立しません。

輸入者と権利者とが協議し、権利者にメリットがあるような場合に権利者が輸入に同意することがあります。

権利者が同意し侵害が成立しない以上、税関が通関を停止させておくことはできません。

 

自発的処理を選択することで、貨物の没収という最悪のケースを免れることができるかもしれません。

認定手続が開始されたら、まずは被害を最小限に食い止めることを考えましょう。

 

参考 海外から商品を輸入しようとする方へ

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