発明を保護する特許と並んで実用新案という制度があります。
日本ではタワシなどの小発明を保護する制度として利用されてきました。
この実用新案、実はとても人気があります。
実用新案は必ず登録されるから、というのがその理由です。
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日本の実用新案制度、現在では無審査で登録される制度になりました。
無審査登録制度では形式的な要件だけを審査して特許審査で行われているような実体審査を行いません。
特許のハードルが高いのは実体審査があるからです。
実体審査で要求される、単に新しいというだけではなく、簡単に創り出せないもの、という要件。
この要件をクリアすることが非常に大変なのです。
そんな便利な実用新案制度はアジアにも存在します。
ただし無審査で登録される実用新案制度を用意している国は限られています。
アジアで無審査主義を採用している国は、カンボジア、フィリピン、台湾、中国です。
つまり日本、中国、台湾、フィリピン、カンボジアに実用新案を出願すれば形式要件だけの方式審査を通過すれば必ず登録されるということになります。
なお無審査で登録される実用新案制度を採用している国では不正出願も少なくありません。
特に中国では他人が創作したものを勝手に出願してしまう冒認出願の問題があります。