手芸店で販売されているキャラクターがプリントされた生地を使ってバッグなどを作ること自体は何ら違法ではありません。
問題になっているのは、そのようなハンドメイド加工品を販売する行為が著作権の侵害に該当するかどうかということです。
特に著作権の問題になると、著作権法を理解して問題を解決しようとする傾向が強いのですが、法律を直接適用して問題を解決することは専門家にとっても決して簡単なことではありません。
著作権法の条文に直接記載されていれば良いのですが、多くの場合、条文を解釈して事例に当て嵌めていきます。
解釈ですから、当然に人によって様々な解釈があります。
ある専門家は手芸店から生地を買ったときに著作権は消尽しているのだから、そのようなバッグを販売する行為は著作権侵害に該当しないと言うかもしれません。
違う専門家は、加工することによりもとの形態と異なるのだから著作権は消尽せず、そのようなバッグを販売することは著作権侵害を構成すると言うかもしれません。
キャラクターがプリントされた生地を手芸店で買い、その生地で作ったバッグを販売することが著作権の侵害を構成するという裁判所の判断がない以上、全く異なる2つの解釈が存在します。
キャラクター生地をハンドメイド加工して販売する行為に限らず、裁判所が判断をしていない事例というのは世の中に数多く存在し、裁判で決着がつくまでは、白黒がつきません。
大事なことは、キャラクター生地をハンドメイド加工して販売するという行為について、「もしかしたらそれはやばいかもしれない」と思う感覚です。
決して、そのような行為が著作権法の第何条に該当するかどうかという「知識」ではありません。
感覚があれば、行動に対して慎重なり、最悪法律違反を回避することができます。
人を殺めてはいけない理由を法律の存在に委ねてしまうと、もし法律がなかったら人を殺めても良いという結論になってしまいます。
キャラクター生地をハンドメイド加工して販売することについても、著作権法の存在を理由とするのではなく、何となくヤバそうという感覚を持つことが求められています。