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世間の多くの人たちが「似ている」と判断したのに対して、デザイナーなどの専門家が「似ていない」と判断することは少なくありません。
これには理由があります。
デザイナーなどの専門家は日頃から多くのデザインに接しています。
このためデザインの細部にも目が行き届き、それこそ兎の毛程の違いをも識別できる目利き力を身につけています。
侵害鑑定を業とする弁理士という専門家は、対象となる2つの技術やデザインを仔細に検討して類否判断をします。
世間では同じように思われる技術やデザインを似ていないと判断することは決して珍しくありません。
商標の世界でも、似ていると思うロゴデザインが多く登録されています。
似ていると思うロゴデザインも、特許庁審査官という専門家は「似ていない」と判断して商標登録を認めています。
専門家ではなくても、ルイヴィトンやエルメスなどの著名ブランドのロゴデザインを知っている人は、似たようなロゴデザインの細部の少しの違いにも敏感に反応し、2つのロゴデザインは似ていないと判断できてしまいます。
世間一般の人たちが「似ている」と判断しているデザインなのに、デザインの専門家が「似ていない」と判断してしまうのは仕方がないことでもあります。