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出国禁止措置とパスポート返納命令

領事館に行くとパスポート返納命令が通知されたことを掲示しているときがあります。

公示送達の手続きとして領事館にも通知の内容が掲示されるのですが、この掲示を見てパスポートを返納する日本人がいるのだろうかと思います。

 

さて、中国では労働賃金不払いや、金銭の貸し借りのような債務不履行で民事訴訟が起こされると、支払いが実行されるまで出国禁止を講じることがあります。

企業経営をしている人であれば出国禁止措置を講じられた経験がある人も少ないでしょう。

 

 

では出国禁止措置が講じられている状態で、本国からパスポート返納命令が出されたらどうなるのでしょう。

渡航中の日本人にとって命の次に大切なモノがパスポートです。

そのパスポートを返納させるのがパスポート返納命令、それは海外に滞在することができないことを意味します。

渡航中にパスポートを領事官に返納した時点でパスポート不所持となり強制退去の対象になります。

 

渡航先の出国禁止措置と本国のパスポート返納命令に因るパスポート不所持(強制退去)では、出国禁止措置の方が優先されることは容易に想像がつきます。

出国禁止措置が出ている状態でパスポート返納命令(強制退去)を優先させたら、渡航先で法を犯した者であっても本国からの意図的なパスポート返納命令により、犯罪者を国外へ脱出させることが可能だからです。

 

出国禁止措置と聞くと重大なことのように思うかもしれませんが、出国できないというだけで日常生活には何の不便もありません。

出国禁止措置が解かれて国外退去になることを好まない人がいても不思議ではありません。

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このコラムを書いている人

TANAKA Tomio

TANAKA Tomio

2004年弁理士登録 電機・電子・IT分野を得意とし国内・国外の権利化について豊富な経験と実績あり。 中国上海駐在経験を活かし中国実務についても豊富な経験あり。 知的財産調査官として特許を始め意匠・商標・著作権・不正競争防止に係る模倣品の輸入差止め審査に従事した経験を活かし模倣品対策についても積極的に取り組む。

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