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契約書に書かないことのリスク

契約書に書かないことのリスク

契約内容を当事者の自由自治に委ねて国家は干渉しないという契約自由の原則は世界の共通ルールです。

当事者間で自由にルールを決めたければ契約書に書いておくだけで良いので至極合理的なルールです。

 

大事なことは、契約書に書いてあることは国家は干渉しないが、契約書に書いていないことは国家が干渉するということです。

契約書に書いていないことは、何も決めていない、ということではありません。

契約書で書いていない内容について国家が制定した法律が別途規定していれば、その法律に従わなければなりません。

 

例えば中国企業と日本企業との間で共同開発した発明について中国企業と日本企業の間で特許権を共有している場合、契約書に書くか書かないかで次のようなリスクが発生します。

 

日本の特許法は、共有特許の権利者は他の共有者の同意を得なければ他人に実施許諾することができないことを規定しています(特許法第73条第3項)。

契約書に共有特許権の実施許諾について何も書かなければ特許法73条が適用されます。

 

一方、中国の専利法は、共有特許権の共有者は単独で実施許諾することができることを規定しています(専利法第15条)。

契約書に共有特許権の実施許諾について何も書かれければ専利法第15条が適用されます。

 

同じ共有特許に係るルールでも中国と日本とでは全く違います。

 

契約書に何も書かない場合において、単独で実施許諾したい者は日本の特許法が障害になり目的を果たせません。

お互いの同意を得たうえで実施許諾をしたい者は中国の専利法が障害になり目的を果たせません。

 

契約書を起案するということは契約事項に関して知っておくだけでは足りません。

契約事項に関連する日本そして海外の法律がどのように規定しているかどうかを知らないと、いざ契約を履行しようとしたときに目的を果たすことができません。

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