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特許紛争解決で仲裁解決が不利になる場合とは

特許紛争解決で仲裁解決が不利になる場合とは
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外国企業との取引における紛争解決手段として裁解決を選択することが少なくありません。

裁判解決に対する仲裁解決のメリットとしては、上訴がないことによる紛争の早期解決の実現、事前合意可能な仲裁地・仲裁人の選択による属地的・属人的な不利益の排除、外国における仲裁判断の国内執行可能性の担保、そして紛争手続きの非公開性による秘密担保を挙げることができます。

上記メリットのうち、仲裁解決を選択する理由として非公開性を挙げる場合、非公開性によるデメリットを知っておく必要があります。

それは仲裁解決を選択した場合は紛争解決のために提供できる資料に制限があるということです。

審理手続きが公開される裁判所に提出する資料を制限したいという当事者側の事情による場合と異なり、仲裁機関に提出する資料は安全保障貿易管理の観点から制限されることがあります(リスト規制・キャッチオール規制)。

例えば、特許に係る紛争解決の場合、特定技術として外為為替令の別表に定められている技術情報を外国に持ち出すことを原則として禁止しています。

これらの技術情報を外国に持ち出すためには経済産業大臣の許可を得なければなりません。

技術情報を持ち出す場合の許可の例外として、公知を目的とする場合等は許可の例外となり、例えば外国裁判所において公開されることを目的として特定技術情報を提供する場合は、経済産業大臣の許可は不要という運用が行われています(貿易外省令第9条第2項第9号ホ)。

すべての技術情報について経済産業大臣の許可が得られるわけではなく、仲裁地や仲裁人によっては許可が得られない場合があります。

経済産業大臣の許可は、技術情報を持ち出す国・地域がホワイト国に該当するか否か、仲裁人、さらには相手方当事者が外国ユーザリストに該当するか否かにより判断されます。

仲裁解決は審理が非公開で行われることにメリットがある一方で、非公開で審理手続きが行われるため、上記貿易外省令の適用の対象外となり、技術情報の提供について経済産業大臣の許可が得られないことがあります。

この結果、裁判解決を選択していれば有利に解決することができたであろう紛争が、審理に必要な情報を提供できないがために不利な結果に終わる可能性があることを覚悟しておかなければなりません。

リスト規制に該当する物・技術

1 武器8 コンピューター
2 原子力9 通信関連
3 化学兵器10 センサー・レーザー等
3の2 生物兵器11 航法関連
4 ミサイル12 海洋関連
5 先端材料13 推進装置
6 材料加工14 その他
7 エレクトロニクス15 機微品目

ホワイト国に該当する国(26国)

アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国

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このコラムを書いている人

TANAKA Tomio

TANAKA Tomio

2004年弁理士登録 電機・電子・IT分野を得意とし国内・国外の権利化について豊富な経験と実績あり。 中国上海駐在経験を活かし中国実務についても豊富な経験あり。 知的財産調査官として特許を始め意匠・商標・著作権・不正競争防止に係る模倣品の輸入差止め審査に従事した経験を活かし模倣品対策についても積極的に取り組む。

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