税関輸入差止が強すぎる理由

特許法や商標法における「」は製造・販売・輸入等の「行為」を指します。
製造等を行う行為の主体は者です。
侵害裁判所は、必ず特定の者に対して製造・販売・輸入等を行ってはならないという判決を下します。
当事者以外は判決に拘束されません。
したがって、判決当事者以外の製造・販売・輸入等の侵害行為を追求する場合は、別途裁判所の判決を得る必要があります。

一方、関税法における「侵害」は「物品」です。
特許権や商標権等を侵害する「物品」の輸入を禁止する関税法(関税法第69条の11)によれば、侵害行為を行う者を特定することなく、ある貨物を輸入する行為が特許法や商標法において特許権・商標権等を侵害するとされる場合に、輸入しようとする貨物を侵害物品として差止めます。

侵害裁判所による差止判決の効力が当事者にしか及ばないのに対して、税関輸入差止めは当事者を特定することなく、差止対象となるすべての物品に対して効力が及びます。

強力な権限を有する輸入差止めは、権利者にとって有利に働く一方、輸入者にとっては不利益に働きます。

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