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秘密の内容を特定していない守秘義務契約は役に立たない

取引先や従業員との間で交わされる秘密保持契約をみると、「知り得た情報を第三者に漏らしてはならない」という一文を以て秘密の保持を義務付けていることが少なくありません。
このような秘密保持条項があっても実際に秘密漏洩が起こった場合は何ら役に立たないと考えておくべきです。
理由は秘密にすべき情報の範囲が抽象的で広すぎる点にあります。

 

契約自由の原則により秘密保持の対象となる情報は自由に定めることができるます。

しかし契約が守られなかった場合のことも考えて、契約で自由に定めることができる秘密情報を、不正競争防止法による保護を受けることができる秘密情報にまで昇華させておくことが有用です。

 

不正競争防止法による保護を受けるための条件は、「非公知」、「有用」、「秘密管理」の3つです。

外部から入手できない情報であり(非公知)、かつ有益な情報(有用)が、「秘密」として「管理」されていなければなりません。

 

秘密として管理されているというためには、秘密の対象となる情報を具体的に特定し、情報にアクセスできる者を限定しておかなければなりません。

 

つまり一般的な契約書に書かれている「知り得た情報を第三者に漏らしてはならない」という一文では、秘密の対象となる情報が何ら具体的に特定されていないため、不正競争防止法による保護が受けられないことは勿論のこと、契約の有効性が疑われることにもなりかねません。

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このコラムを書いている人

TANAKA Tomio

TANAKA Tomio

2004年弁理士登録 電機・電子・IT分野を得意とし国内・国外の権利化について豊富な経験と実績あり。 中国上海駐在経験を活かし中国実務についても豊富な経験あり。 知的財産調査官として特許を始め意匠・商標・著作権・不正競争防止に係る模倣品の輸入差止め審査に従事した経験を活かし模倣品対策についても積極的に取り組む。

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