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中国から回収した利益を留保する香港シンガポールの活用方法

中国から回収した利益を留保する香港シンガポールの活用方法

前回は香港シンガポールを活用して中国から利益を回収する方法を紹介しました。

詳細はこちら。

 

前々回は知的財産を活用して中国から利益を回収する方法を紹介しました。

詳細はこちら。

 

今回は中国で計上した利益や中国からのライセンス料を日本へ還元することの意義を考えてみます。

中国で計上した利益やライセンス料を日本国内で投資したいのであれば日本へ還元する必要があります。

しかし日本で投資する計画がない、または日本以外の国に投資する計画がある場合、中国で計上した利益を日本に還元する理由はあるでしょうか。

 

日本に還元した時点で発生する問題に税金と為替があります。

 

まずは税金。

中国で計上した利益を日本に還元すれば40%の法人税が待っています。

日本に還元した時点で利益が目減りします。

 

一方、日本に還元せずに香港シンガポールで留保した場合、香港の法人税は16.5%、シンガポールの法人税は17%なので、日本と比較すれば利益の目減りを抑えることができます。

 

さらにシンガポールには各種の優遇制度があるので、優遇制度を利用できれば法人税はさらに軽減されます。

 

つぎに為替。

日本に利益を還元した場合、為替次第ではドルベースで目減りすることがあります。

一方、香港ドルは米ドルに連動させており、シンガポールドルも米ドルを含む外貨に連動させています。

香港ドル、シンガポールドルも米ドルに対する変動は日本円よりも小さいので、ドルベースで目減りするリスクを小さくすることができます。

 

税金や為替変動により利益が目減りするリスクが少ない香港シンガポールの法人に利益を留保し、日本や日本以外のグループ会社の事業に投資する方が効率的といえます。

 

たしかに香港シンガポールの法人税は現時点で他の国に比べれば低いのですが、この状態がいつまで続くかは分かりません。

香港シンガポールに資産が集まることを他の国が快く思っているはずはありません。

いずれ修正される可能性は十分あります。

 

ただ税制面を除いても、現在の香港やシンガポールにはヒト、モノ、カネが集まり、拠点を置くに相応しい環境を備えた都市であることは間違いありません。

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このコラムを書いている人

TANAKA Tomio

TANAKA Tomio

2004年弁理士登録 電機・電子・IT分野を得意とし国内・国外の権利化について豊富な経験と実績あり。 中国上海駐在経験を活かし中国実務についても豊富な経験あり。 知的財産調査官として特許を始め意匠・商標・著作権・不正競争防止に係る模倣品の輸入差止め審査に従事した経験を活かし模倣品対策についても積極的に取り組む。

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